中小企業診断士試験の内容と合格率

2021年11月05日 / 最終更新日 : 2021年10月12日

中小企業診断士の山田盛史です。私は中小企業診断士という資格を保有しており、2017年に中小企業診断士の登録を行っています。先日、中小企業診断士の1次試験の合格発表がありました。そこで今回は中小企業診断士試験の内容や合格率ついて解説します。(執筆時点の試験制度の内容にもとづきます)


中小企業診断士の試験制度

そもそも中小企業診断士の試験制度とはどのようなものなのか、そこから説明します。

中小企業診断士になるには、まず中小企業診断協会が実施する1次試験に合格することが必要になります。そして1次試験合格後は、以下のいずれかの方法で中小企業診断士に登録されます。

 

①中小企業診断協会が実施する2次試験に合格し実務補修を修了するか、診断実務に従事する

②中小企業基盤整備機構または登録養成機関が実施する養成課程を修了する

 

1次試験は知識を問うペーパーテストです。2次試験もペーパーテストですが、事例企業をもとにコンサルタントとしての考え方や助言能力を問う試験になっています。

そして、実務補修とは実際の中小企業に対して指導員の指導のもと診断業務、助言業務を行います。

 
②は中小企業基盤整備機構や大学等に設置されている中小企業診断士を養成する課程を修了します。養成課程では座学の講義を受けたり、実務補修と同様に実際の中小企業に対して指導員の指導のもと診断業務、助言業務を行う診断実習があります。

コンサルティング業務は知識があるだけでは務まらないため、知識試験だけではなく、診断業務や助言業務も経験しなければ中小企業診断士の登録ができないような仕組みになっています。このように中小企業診断士の登録は長い道のりになります。

 

1次試験とはどんな試験なのか

中小企業診断士試験の登竜門ともいえる1次試験ですが、1次試験は7科目ありマークシート形式のペーパーテストです。7科目の試験を2日間で行う、なかなかハードな試験です。

7科目とは、経済学・経済政策、財務・会計、企業経営理論、運営管理、経営法務、経営情報システム、中小企業経営・中小企業政策となります。中小企業診断士は経営コンサルタントの資格です。経営コンサルタントには経済学や会計学、経営学、組織論、マーケティング、オペレーションマネジメント、法律、ITと幅広い知識が必要になります。

そのため、非常に幅広い知識が問われる試験になっています。私は受験生時代にはIT業界におり、簿記2級などの資格を取得していました。そのため財務・会計や経営情報システムが得意でした。逆にその他の科目は初めて学習する内容がほとんどでしたが、ビジネス全般における知識が身につくため、ビジネスパーソンとしての知識レベルが向上するのを実感できます。

私は20代前半に中小企業診断士試験の学習を初めましたが、学習前は日経新聞を読んでも理解できないことが多かったものです。しかし、学習を進めていくうちに、日経新聞などの経済ニュースの理解度が格段に上がりました。このように中小企業診断士試験はコンサルタントという仕事をするか否かに関わらず、ビジネス人生において有益な知識を得られる資格であると思います。

2次試験とはどんな試験なのか

続いて2次試験ですが、1次試験は知識を問うのに対して、2次試験は考え方を問う試験と言えます。2次試験は4科目あり、4つの中小企業の事例が出題されます。

事例1は組織・人事の事例であり、組織を中心とした経営戦略や管理に関する事例が出題されます。事例Ⅱはマーケティングの事例であり、マーケティングを中心とした経営戦略や管理に関する事例になっています。

事例Ⅲは生産・技術の事例で、生産性や技術の向上や活用等を図る戦略が出題されます。最後の事例Ⅳは財務・会計の事例となっており、他の事例と異なり財務諸表が与えられ、経営分析とアカウンティングやファイナンスに関する計算問題が出題されます。

事例企業の状況を整理し分析して、助言を記述する論述試験になっています。紙の上で企業の診断や助言を行うようなイメージです。


1次試験と2次試験の合格率

1次試験と2次試験の合格率を見てみましょう。中小企業診断協会が公表している過去10年の合格率の推移は以下の通りです。

 

 

1次試験は例年20~30%程度を推移していますが、令和2年は42.5%と突出して高い合格率になっています。理由はよく分かりません。1次試験は年度によって合格率のバラツキが多いと言えます。一方、2次試験は例年20%前後で安定的に推移しています。この違いは評価方法によるものです。

1次試験は絶対評価の試験になっています。受験した科目の総合計のうち60%以上の得点率であれば合格、60%未満であれば不合格という評価基準になっています。また1科目でも40点未満の低い得点があった場合は、総合計の60%以上得点しても不合格になります。(これを足切りといいます)絶対評価なので、この合格基準を満たせば受験者全員が合格しますし、逆に合格基準を満たせないと受験者全員が不合格になることもあり得ます。そして、試験が易化すれば合格率が上がりますし、難化すれば合格率は下がります。

一方、2次試験は相対評価と言われています。2次試験では得点の高い受験者の上位20%前後が合格すると言われています。相対評価なので、易化・難化しようとも合格率自体は大きく変動しないという事です。受験者の側から見ると、かなり難しい問題は受験者の多くが解けないのであまり差が付きません。むしろ受験者の多くが解ける問題をミスせず確実に得点していくことが合否の明暗を分ける事になります。


まとめ

今回は、中小企業診断士試験の内容や合格率を見ていきましたが、いかがでしたでしょうか。中小企業診断士という資格は中小企業経営者の方々に対して、士業の中では、やや知名度が低い資格であると感じます。しかし、近年では取得したい資格の上位にランクインするなど知名度が向上してきていると感じます。中小企業支援に携わるか否かは別にして、ビジネススキルが向上する資格としてチャレンジしがいのある資格だと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました。
——————————————————-
▼経営者の想いに寄り添った伴走型支援

当社は複雑化する経営課題を解消するための対策について経営者の想いに寄り添い、
経営者の傍らで一緒に考え、そして励まし成長し合いながら共に走り続ける
中小企業経営者の良き伴走者となります。

中小企業に即した現実的な経営支援を行っております。
こちらからお気軽にご相談ください。

ウィルリンクス中小企業診断士事務所
(経済産業省認定 経営革新等支援機関)
https://will-links.jp/

お問い合わせ




経営者の想いに寄り添った伴走型支援

当社は複雑化する経営課題を解消するための対策について経営者の想いに寄り添い、経営者の傍らで一緒に考え、そして励まし成長し合いながら共に走り続ける中小企業経営者の良き伴走者となります。
中小企業に即した現実的な経営支援を行っております。こちらからお気軽にご相談ください。
ウィルリンクス中小企業診断士事務所(経済産業省認定 経営革新等支援機関)