製造業の管理会計を作る上で重要項目となる「利益率」や「付加価値」について解説

2021年04月15日 / 最終更新日 : 2020年12月30日

製造業会計を管理する上で重要な指標になるのが、「利益率」や「付加価値」です。
本記事では、この2つの指標の使われ方の違いを解説し、どのように用いるのかについても解説していきます。


製造業で利益を上げるための最初のアプローチ

管理会計をする目的の1つに、「利益計画の策定」があります。
これは製造業に関わらずどの業種で管理会計をするにしても考えることではありますが、製造業においては、利益計画を策定するために必要な指標として、「利益率」や「付加価値」を用います。


利益率と付加価値の違い

ここでは、財務会計上で使われる「利益率」と、管理会計上で用いられる「付加価値」がどのように異なるのかを解説していきます。
利益率とは一般的に、「利益率」という言葉は財務会計上で使われる指標です。財務会計で使われるので、定義がはっきりしています。利益率は、下記の式で求められます。

利益率 = 営業利益 ÷ 売上高

営業利益は、売上高から、製造原価と販管費を差し引いた利益を指します。

財務会計は、一般的に外部報告用に使われる会計のため、管理会計のように利益計画を策定したりするのにはあまり向いていません。厳密にいうと、利益計画の策定に使えないことはないのですが、どの企業でも同じような科目を使用しなければならないことから、管理会計よりも大雑把な分析しかできません。
製造業のみならず、どの業種においても「利益率」を算定し、この数値を少しでも上げることは、企業の存続や事業規模拡大の重要な要素であると考えられています。

付加価値とは

これに対して「付加価値」という言葉は、会計上では、主に管理会計で用いられる言葉です。管理会計は、それぞれの企業内で最も適した形で会計をするもので、外部報告用には使われないことから、独自の会計処理が多く含まれています。
その中でも、製造業においては「付加価値」という指標を用いて管理会計を行うことが多いです。
「付加価値」は管理会計で用いられるため、その定義も企業によって様々です。例えば、自社で捻出した利益を付加価値とするのであれば、付加価値を算定する式は下記のようになるでしょう。

付加価値 = 売上高 ー 外注費

例えば支社工場が複数あるとして、それぞれの支社工場で「付加価値」によって業績を評価することにより、どのくらい自立的な経営を行えているかを判断する指標になり得ます。


異なる会計を利用して業績を多面的に評価する

企業の業績は、多面的に見る必要があります。財務会計上の利益率が高くても、管理会計上の付加価値が低い(先程の例で言えば、外注費が大きい)場合、生み出している利益の大半を外注に頼っていることがわかります。このように、管理会計を導入することによって見えてくるものがあります。


まとめ

今回は、製造業でよく使われる指標として「利益率」と「付加価値」をピックアップし、解説してきました。それぞれの用語がどんな会計で使われるか、また、どのように用いれば良いのかを把握して頂けたと思います。
まずは財務会計上の「利益率」がどのように算出されるのかを把握し、その上で、管理会計導入の際に、ぜひ「付加価値」を使ってみて下さい。
実際にやってみることによって、新たに理解できることも多くあるはずです。

最後まで読んで頂きありがとうございました。
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