SPAとは?SCMとの違いやコストを削減できるメリットについて解説

2023年10月30日 / 最終更新日 : 2023年10月03日

SPAを翻訳すると製造小売業となります。製造も小売りもおこなう業者ということです。SPAには多くのメリットが存在しますが、あまり広くは知られていません。

本記事ではSPAのメリットだけでなく、デメリットやSCMとの違いについて解説しています。SPAに取り組む企業の参考になりますので、ぜひ最後までお読みください。




 

SPAとは

SPA(Speciality store retailer of Private label Apparel)とは商品の製造から販売までの工程を、小売業者が自らおこなうビジネスモデルです。1986年にアパレルブランド「GAP」により提唱されました。

従来はファッション業界を中心に活用されていましたが、現代ではさまざまな業界でSPAが取り入れられています。

商品が顧客に届くまでには、製造業者や卸売業者など複数の専門業者を経由して販売する方法が一般的です。SPAであれば専門業者を経由しないため、コスト削減や時間短縮などの効果が期待できます。




 

SPAとSCMの違い

SPAとよく似た考え方としてSCM(Supply Chain Management)があります。SCMは材料の調達から販売までの工程を最適化するためのマネジメント方法です。

どちらも工程管理が主な目的となるため、混同して使われる傾向があります。しかし、両者はまったく同じではありません。作業の管理者が異なるからです。

SCMの場合、作業を各業者でおこない、管理も各業者がおこないます。作業の管理ではなく、各業者の情報共有や連携を管理して最適化を目指す手法です。

一方、SPAでは作業の管理も自社でおこないます。具体的には、品質管理や配送ルートの指示などです。SPAによりSCMとは異なるメリットが得られます。




 

SPAのメリット

SPAには多くのメリットが存在します。なかでも、注目すべきメリットがコストの低下です。

販売までの一般的な工程ではさまざまな業者を経由するため、委託料や手数料が発生します。SPAでは、これらの費用を大幅に削減できるためコスト削減が可能です。

コストが下がれば、商品の値下げや新商品の開発など、新たな顧客獲得に向けた取り組みにも余裕がうまれます。

他にも「店舗からのニーズ調査を反映しやすい」「生産量を調整しやすい」など、さまざまな効果が期待できます。




 

SPAのデメリット

SPAには多くのメリットがありますが、デメリットも存在します。代表的なデメリットがマネジメントのリスクです。

SPAでは大半の工程を自社で管理するため、各工程の運営や在庫管理などを自社でおこなわなければいけません。

適切な運営ができず商品が販売できなくなるリスクや、在庫が大量に残ってしまうリスクなどを抱えている状況です。製造や物流、販売などの専門的な知識がなければ、多大な損失を負ってしまうでしょう。

リスクを回避するためには、設備や人材への投資が不可欠です。投資にかかる費用とメリットを比較し、十分な検討を重ねて導入を検討する必要があります。




 

まとめ

SPAは、製造から販売までに必要な一連の工程を自社で管理する運営方法です。SCMとは異なり、各工程における実作業まで管理する特徴があります。

SPAにより、販売までに要するコスト削減や時間短縮が可能です。多くのメリットにより新規顧客の獲得も期待できるでしょう。一方で、自社で負担するリスク増加には注意が必要です。

SPAの取り組みは、自社の現状や将来性を充分に考慮して検討しましょう。

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。
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