就業規則とは?制度や罰則、作成に役立つツールを解説
2022年10月10日 / 最終更新日 : 2022年09月06日常時10人以上が働く事業所では就業規則の作成と労働基準監督署への届出が義務となっています。就業規則は労務トラブルを速やかな解決に導いたり、助成金申請の必要書類であったりします。基本的な事項や整備の流れについて解説いたします。
就業規則とは
就業規則は会社のルールをまとめたものとして、労働者に対する待遇の根拠となるものです。労働基準法(以下、労基法)第89条により、常時10人以上の労働者を使用する事業場の使用者は就業規則を作成して、事業場管轄の労働基準監督署へ届け出る義務があります。
作らなかった場合の罰則は?
就業規則には作成義務と届出義務があり、これに違反した場合は30万円以下の罰金が科せられる場合があります(労基法第120条)。
また、法律による罰則のほか、下記のようなリスクも考えられます。
- 問題のある社員がいても懲戒処分が行えない
- 就業規則に懲戒事項と処分内容を定めておかないと不当な処分とされる場合があります
- 欠勤・遅刻等への対応が出来ない
- 不就労分の対応を就業規則に定めておき周知しておかないと賃金トラブルになりやすい部分です
- 助成金や奨励金の申請が出来ない場合がある
- 申請書類の1つとして就業規則が含まれる助成金・奨励金が多くあります
就業規則に書くこと
必ず記載しなければならない事項である「絶対的必要記載事項」と、定めをする場合に記載しなければならない「相対的必要記載事項」があります。
- 絶対的必要記載事項
- 始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに交代制の場合には就業転換時に関する事項
- 賃金の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
- 退職に関する事項(解雇の事由を含む)
- 相対的必要記載事項
- 退職手当に関する事項
- 賞与など臨時の賃金、最低賃金額に関する事項
- 食費、作業用品などの負担に関する事項
- 安全衛生に関する事項
- 職業訓練に関する事項
- 災害補償、業務外の傷病扶助に関する事項
- 表彰、制裁に関する事項
- その他全労働者に適用される事項
就業規則作成に役立つツール
就業規則を自力で作成しようとなると書き方や内容など不明なことが多いと思います。そういったときには下記のモデル就業規則や、就業規則作成ツールを参考にしてみてください。全てをそのまま使用するのではなく、まずは絶対的必要記載事項の部分だけを抽出し、自社の内容に書き換えてみましょう。
モデル就業規則について|厚生労働省
スタートアップ労働条件就業規則作成支援ツール|厚生労働省
https://www.startup-roudou.mhlw.go.jp/support_regulation.html
就業規則整備の流れ
- 整備する就業規則を把握する
- 賃金規程、テレワーク規程、育児介護休業規定は別途設けるか?など
- 就業規則を作成する
- ツールを使用したり、専門家へ依頼したりする方法があります
- 従業員代表からの意見を聴取する
- 提出する際に従業員代表の意見書を添付します
- 管轄の労働基準監督署へ提出する
- 明確な期日は設けられていませんが遅滞なく提出しましょう
- 労働者へ周知する
- 労働者へ周知することで就業規則が効力を持ちます
作成した就業規則は、印刷して事業所に一部置いておいたり、共有フォルダにPDFを入れておくなどして従業員がいつでも閲覧可能な状態にしておく必要があります。周知がなされていない就業規則は効力が認められないばかりか周知義務違反として30万円以下の罰金が科せられる場合があります。
作成後の見直しについて
就業規則には多くの労働法が関連しています。これらが改定施行されたときや、内容と会社の実態が乖離したときが就業規則を見直すタイミングです。
関連法の改定施行については、各都道府県の労働局のページがよくまとまっています。
法改正のご案内一覧|東京労働局
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/houkaisei_goannai/_84545.html
定期的に見直しを行い、いざという場合に備えて対応できる就業規則にしておきましょう。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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