抵当権と根抵当権の仕組みとは?違いは何?異なる2つの権利を解説

2022年12月10日 / 最終更新日 : 2022年11月08日

住宅の購入などでお金を借りる際には、「抵当権」と「根抵当権」の違いを理解しておくと役立ちます。

2つの異なる仕組みを知ることで、無駄なコストを抑えられるからです。

 

今回の記事では抵当権と根抵当権の違いや特徴をご紹介します。

無駄なく借入れするための判断材料として、ぜひ参考にしてください。




 

抵当権の特徴

抵当権とは、お金を貸す代わりに土地などの資産に対して売却できる権利を設定することです。

売却したお金を返済額に充てることができるので、貸す人は安心してお金を貸すことができます。

お金を貸し借りする場合、貸す人にとっては全額返済してもらえないリスクがあり危険です。

リスク回避のためにも、返済できなかった場合の備えとして抵当権を設定するのが一般的。

完済した場合には抵当権も消滅するので、更なる借入れが必要な場合には改めて抵当権の設定手続きが必要になります。

手続きには登記の申請費用などがかかるため、費用的コストと時間的コストがかかってしまいます。




 

根抵当権の特徴

根抵当権とは、設定する資産の評価額を基に上限を決め、上限の範囲内であれば何度でも貸し借りできる仕組みです。

何度でも貸し借りできるため、継続的に借入れが必要な場合に利用されます。

多くは企業の事業資金などで利用されるため、一般的にはあまり知られていません。

複数回の貸し借りを継続的に行えるため、登記申請を何度もしなくて済み、無駄な出費や労力を省くことができます。




 

抵当権と根抵当権の違い

返済額の分かりやすさ

抵当権では、借入れする額を最初に決めるため返済額も借入額+利息になります。

一方で、根抵当権では上限が決まっているものの、借入額は借入れのたびに変動していきます。

借入額が変動するため、返済額も変動し管理が複雑で困難です。借入れと返済は詳細に記録しておくのが良いでしょう。

債務の消滅

抵当権は返済が完了したら権利が消滅します。

ですが、根抵当権は完済したからといって債務が消滅するわけではありません。

借入額が0円になっても、追加で借入れをする可能性があるからです。

根抵当権を抹消するためには、貸した人と借りた人との双方の合意が必要になります。

また、借入残額がある状態で抹消するには元本確定が必要です。

元本確定は、貸した人と借りた人との合意により残額を決定することで、元本確定後は根抵当権も抵当権と同じ取扱いになります。

つまり、元本確定して残額を全て返済した際に根抵当権も抹消となるのです。

連帯債務の可否

抵当権では連帯債務が可能ですが、根抵当権では連帯債務の契約ができません。

連帯債務は、お金を借りる人と同じ責任で別の人が契約することです。

夫婦で住宅ローンを組む場合が連帯債務の分かりやすい例です。

抵当権であれば返済の額や時期が明確なため連帯債務が可能ですが、根抵当権の場合は限度額はありますが返済額や時期が不明のため連帯債務者を設定することができません。

連帯債務ができないと、貸した人は金銭の回収をできないリスクが増えるため契約も不成立になる可能性が高まります。




 

まとめ

今回は抵当権と根抵当権の特徴や違いをご紹介しました。

抵当権は一般的な住宅購入などで利用され、根抵当権は継続的な借入れが必要な企業などに多く利用されます。

費用コストや返済額管理の手間も踏まえて、自身に合う契約方法を選択しましょう。

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。
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