賃金台帳とは?書き方や様式、罰則についても解説

2022年12月15日 / 最終更新日 : 2022年12月15日

賃金台帳は法定3帳簿とも呼ばれ、労働基準法で作成と保存が義務付けられています。違反した場合は30万円の罰金に処されることもあります。本記事では記載内容や様式を紹介します。




 

賃金台帳とは

賃金台帳とは、労働者を雇用した場合に作成し、保存することが義務づけられている法定3帳簿の1つです。法定3帳簿には、労働者名簿、賃金台帳、出勤簿等があります。

このうち、賃金台帳は労働基準法(以下、労基法)第108条で、賃金(給与・賞与のこと)を支払う度に遅滞なく記入することが義務付けられています。




 

記載内容は

賃金台帳に記載しておく項目は次のとおりです。

  1. 労働者氏名
  2. 性別
  3. 賃金の計算期間
  4. 労働日数
  5. 労働時間数
  6. 時間外労働時間数
  7. 深夜労働時間数
  8. 休日労働時間数
  9. 基本給や手当等の種類と額
  10. 控除項目と額

 

気を付けたいポイントが2点あります。

⑧休日労働時間数について、これは法定休日の労働時間を指します。法定休日が日曜、所定休日が土・祝の会社の場合ですと、土曜日・祝日に労働したとしても休日労働時間数に含めないのと休日割増手当(割増率35%)の支払も不要です。

2点目は、管理監督者にあたる労働者について、時間外労働時間数・休日労働時間数の記入が不要です。ただ深夜労働時間数は記入が必要ですし、もちろん深夜割増手当(割増率25%)の支払もしなければなりません。




 

様式は

賃金台帳の様式は常用労働者(正社員・パートアルバイト・有期雇用等)と、日雇労働者とで異なります。厚生労働省のサイトからもダウンロードできますが、記載内容に漏れがなければ様式は自由です。

主要様式ダウンロードコーナー|厚生労働省

https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudoujouken01/

 

給与計算システムを利用されている場合は、システムからの出力もできます。そういったシステム利用が無い場合は、給与明細を発行したら各人毎の明細内容をエクセルにまとめておくと良いでしょう。

労働日数や労働時間数などが給与明細に記載されていない場合でも、賃金台帳の方には記入が必要です。

賃金台帳様式




 

保存期間

賃金台帳の保存期間は、最後に書き入れた日から起算して5年間保管することが義務付けられています(労基法第109条、労基法施行規則第56条)。




 

賃金台帳を利用する場面

賃金台帳は、労働者からの閲覧を求められることはあまり無いと思いますが、年金事務所や税務署が行う調査で閲覧や提出を求められることがあります。きちんと社会保険料や所得税が計算・控除されているかなどを見られます。

また、厚生労働省の助成金申請の際にはほとんどの場面で賃金台帳の添付が必要となります。




 

罰則

賃金台帳を作成していなかった、保存期間を守っていなかった場合は、30万円以下の罰金に処される場合があります(労基法第120条第1項)。

助成金の申請で実態と異なる賃金台帳を作成し提出した場合は、不正受給した助成金の全額、その2割に相当する額、延滞金を返還するほか、事業所名などが公表され今後5年間雇用関係助成金が不支給となります(雇用調整助成金・緊急雇用安定助成金の場合)。

悪質な場合は、刑法上の詐欺罪に問われる場合もあります。

 

偽りなく記入することを大前提として、日ごろから給与支払と賃金台帳の記入をセットで行っておくと良いでしょう。

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。
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