経営コラム

Management column

知的財産権とは

2022年04月15日 / 最終更新日 : 2022年03月11日

知的財産権という言葉を一度は聞いたことがあると思います。知的財産権を活用することで会社の強みを保護したり、新たな市場獲得や販路拡大につなげることができます。今回は知的財産権について解説します。



 

知的財産権とは

知的財産権とは、人間の幅広い知的な想像活動を経て得られる成果について、一定期間の独占権を与える制度です。その代表的なものに特許権というものがあります。まだ世の中にない画期的な発明をした人は、その発明を特許庁から登録を受けることで、一定期間、その発明を独占することができるようになります。画期的な発明をするには大変な労力や資金がかかることも多いですが、せっかく発明をしてもすぐに他の人に真似されてしまっては、頑張って発明しようとする人が減ってしまうかもしれません。技術革新を促進して経済を活性化するためには、一定期間独占させるメリットを与えることが合理的と考えられています。知的財産権には、特許権の他にも実用新案権、意匠権、商標権、著作権、回路配置権、育成者権などさまざまな権利があり、企業は知財戦略を練って自社の知的財産の効用を最大化するように努めています。



 

産業財産権とは

知的財産権のうち、特許権、実用新案権、意匠権、商標権の4つを指して産業財産権と呼んでいます。つまり、産業財産権は知的財産権に内包される概念ということになります。なぜ産業財産権と呼ばれているかというと、この4つの権利が基本的に産業の発展を目的としているためです。

例えば、意匠権は製品のデザインを保護する権利で、家電製品や自動車のメーカーがよく権利化しています。工業製品をデザインするにもコストがかかっており、せっかく良いデザインを作っても模倣されてしまっては、良いデザインを創出しようという意欲がなくなってしまいます。意匠法はデザインを意匠権として保護し、より良いデザインの製品が創出されて産業が活性化することに役立っているわけですね。

商標法は何を保護しているかというと、ロゴやトレードマークに蓄積された事業者の信用です。企業名やブランド名、企業の代名詞となる製品名などの多くは商標として登録されており、基本的に類似の製品に対して他人の商標を使えません。安物の財布に高級ブランドのロゴマークを勝手につけて販売すると、商標権を侵害する行為に該当してしまいます。他の3つの産業財産権が権利の期間に制限があるのに対し、商標権は何度も更新できることが特徴の一つです。



 

著作権とは

産業財産権ではない知的財産権のうち、最も身近なものはおそらく著作権になるでしょう。著作権法は、文芸や美術、音楽などの著作物を創出した人の権利を保護し、文化の発展を促進することを目的に制定されています。映画やゲームなどの映像作品、小説、音楽や踊りなど、身近なものの多くが著作権で守られています。産業財産権は基本的に特許庁に出願して登録されることで権利化することができますが、著作権は著作物を創出したときに著作者に権利が発生する点で制度的に大きく異なります。また、産業財産権は早い者勝ちが原則で、基本的に先に出願されてしまうと権利を得ることができませんが、著作権は後から偶然同じ著作物を作ったとしても、著作者として著作権を得ることができる点でも大きく異なっています。



 

知的財産権の活用とは

知的財産を有効に活用することが、企業が利益を追求する中で非常に重要なポイントとなります。そのためにはまず、自社にある知的財産権を棚卸しし、自社の事業にどのように貢献しているかを把握する必要があります。それを踏まえて将来の技術開発方針や、第三者からのライセンスを検討します。従業員によって創出される知的財産の取り扱いについても社内規定で定めておく必要があります。また、利益に貢献していない知的財産権については、第三者にライセンスしたり、あるいは譲渡したりして収益化することも考えられます。たとえ直接の利益を生み出していなくとも、権利を独占することで競合他社を牽制するという戦略もあり得ます。そのかたわらで他者が自社の権利を侵害していないかについても目を光らせておく必要があります。

知的財産を戦略的に活用するには専門家のアドバイスを得ることが1番の近道です。頼りになる専門家としては、法律に詳しい弁護士、知財に特化した弁理士、企業経営に絡めたアドバイスができる中小企業診断士などが挙げられます。

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。
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