倒産件数の状況と今後の懸念

2020年10月10日 / 最終更新日 : 2020年10月08日

こんにちは、中小企業診断士の山田盛史です。
新型コロナウィルスの影響による倒産件数、従業員の解雇件数が増加しているといったニュースを最近多く目にするようになってきました。
今回は倒産件数の状況について書きます。


足元の倒産件数の状況

2020年9月1日に帝国データバンクが公表した「新型コロナウィルス関連倒産」を見ると、集計を開始した2020年2月末から9月1日16時現在において新型コロナウィルス関連倒産(法人および個人事業主)は全国で480件となっています。

業種別上位は「飲食店」66件、「ホテル・旅館」52件、「アパレル・雑貨小売店」33件、「建設・工事業」30件となっています。
上位2つの「飲食店」「ホテル・旅館」を合わせると全体の25%程度となり、この2業種が非常に厳しい状況であることが伺えます。

地域別に見ると東京都が117件と最多、次いで大阪府が51件、北海道25件、兵庫県24件、愛知県22件となっています。東京都が圧倒的に多くなっています。
単に企業数が多いということもありますが、歓楽街が多く、国内外を含めた観光地の側面もあるため、倒産業種上位の飲食店やホテル旅館が多いということが理由にあげられるのではないかと思います。


不況下での業績の波及と今後の懸念

BtoC業態は、消費者需要の影響が直接的に出るため、BtoB業態よりも業績の落ち込みが早いです。一般的に不景気になると企業は3Kと言われる交際費、交通費、広告費の削減を行うため、はじめに3Kの関連業種は不況のあおりを受けることが多いです。
逆に建設業など受注から売上・入金までのサイクルが長い業種は、他の業種より遅れて不況下の影響が出ます。

当社の支援先は建設業、製造小売業、飲食業、サービス業、IT業界と幅広いのですが、飲食業などのBtoC業態は、やはり業績への影響は大きいです。しかし、その中でも小規模事業者様などは家族経営をされているところも多いので人件費負担はそこまで多くなく、家賃や休業の給付金やコロナ融資を活用して資金繰りを繋いで倒産までには至っていないという事業者様も多く存在します。

建設業などのBtoB業態は、記事執筆時点ではそこまで影響を受けていない事業者様が多いような印象ですが、今後コロナウィルスが長期化すれば、影響が出てくるものと思います。
業種に関わらず、現在多くの事業者様はコロナ融資を受けていると思います。そして半年や1年間などの据え置き期間を設定されている事業者様がほとんどだと思いますが、この据え置き期間が終わった後、返済負担が急に増えるので今後さらに倒産件数は増えるかもしれません。


連鎖倒産にも注意が必要

今後、連鎖倒産も増えてくることが想定されます。連鎖倒産とは取引先事業者が倒産してしまい、その影響を受けて倒産することを言います。
つまり、回収を予定していた取引先の債権が、取引先の倒産などにより急に回収できなくなり、資金繰りが行き詰まって倒産してしまうというような状況です。

当然、取引先が多い大企業ほど倒産時の連鎖倒産のインパクトは大きくなります。その意味では債権管理も重要で新規取引をする際は与信に注意が必要です。
また取引先を集中させずに、ある程度、複数社の取引先を持っておく、さらには中小企業基盤整備機構の経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)の活用なども意識しておきたいものです。

最後まで読んで頂きありがとうございました。



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