支払調書の概要と作成が必要な取引、提出までの流れを解説

2023年05月25日 / 最終更新日 : 2023年04月19日

支払調書は、企業が支払った報酬・料金・賞金・給与等を明確にする書類です。年間の費用やそれに係る所得税額を記載し、法定調書としてまとめて1月31日までに企業管轄の税務署へ提出します。


支払調書とは

支払調書とは、弁護士報酬など、報酬・料金・賞金を支払った企業が支払った金額や内容を記載した書類のことです。毎年1月末に税務署への提出が義務付けられています。

企業では、対象となる従業員の源泉徴収票と支払調書を併せて提出するのが一般的です。この源泉徴収票と支払調書を税務署へ「法定調書」としてまとめて提出します。

図:報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書

(画像引用:[入力用] 令和 年分 報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書|国税庁


支払調書の作成が必要な取引

支払調書は、源泉所得税の対象となる報酬・料金・賞金が発生した取引について作成が必要となります。具体的には、以下の場合です。

  1. 外交員、集金人、電力量計の検針人およびプロボクサー等の報酬・料金、バー、キャバレー等のホステス等の報酬・料金、広告宣伝のための賞金については、同一人に対するその年中の支払金額の合計額が50万円を超えるもの
  2. 馬主に支払う競馬の賞金については、その年中の1回の支払賞金額が75万円を超えるものの支払を受けた者に係るその年中のすべての支払金額
  3. プロ野球の選手などに支払う報酬、契約金については、その年中の同一人に対する支払金額の合計額が50,000円を超えるもの
  4. 弁護士や税理士等に対する報酬、作家や画家に対する原稿料や画料、講演料等については、同一人に対するその年中の支払金額の合計額が50,000円を超えるもの
  5. 社会保険診療報酬支払基金が支払う診療報酬については、同一人に対するその年中の支払金額の合計額が50万円を超えるもの

企業では4に対する支払調書を作成することが多いかと思います。





上記以外の支払調書

他にも、多くの支払調書が存在します。下記は該当する企業が多い支払調書です。

  • 不動産の使用料等の支払調書
  • 不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書

また、従業員に対する「源泉徴収票」も500万円を超えて給与等を支払った場合には税務署への提出が必要です。

支払調書(法定調書)の一覧については下記リンクをご参照ください。

法定調書関係|国税庁


支払調書提出までの流れ

支払調書(法定調書)を税務署へ提出するまでの作成の流れは下記のようになります。

行うこと おすすめの実施タイミング
1 マイナンバーの収集 初めて報酬等を支払うとき
2 給与所得の源泉徴収票の金額確認 12月最後の給与・賞与支給が終わったとき
3 支払調書の作成 1月入ったらすぐ
4 給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表の作成 上記が全て作成・確認できたとき

報酬等を支払った方については、マイナンバーを確認しておきましょう。税務署に提出する支払調書にはマイナンバーの記載が必須です。

源泉徴収票も提出対象となる従業員の源泉徴収票について、支払った給与等の金額と所得税額が計算と一致するか確認が必要です。ここまで年内に終えていると、作成がスムーズです。1月に入ったらすぐ支払調書の作成にとりかかります。

不動産など、年1回の取引についての支払調書は、もちろん先んじて作成しておいても問題ありません。

最後に、それぞれの支払調書・源泉徴収票の支払金額等を記載する合計表を作成します。





支払調書の提出方法

支払調書提出方法は、書面のほか、e-Tax、光ディスク等があります。

前前年の提出すべきであった当該法定調書の提出枚数が100枚以上であるものについては、当該法定調書(支払調書)についてe-Taxか光ディスク等での提出が必要です。例えば、100名以上に対して報酬・料金の支払調書を令和3年度に提出した場合は、令和5年度(2024年1月31日手出締切)については報酬・料金の支払調書をe-Taxか光ディスク等で提出しなければなりません。

最後まで読んで頂きありがとうございました。
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