請負契約とは?委任契約との違いや契約書に記載すべき事項について解説

2024年01月10日 / 最終更新日 : 2023年12月05日

請負契約は、業務を外部に依頼する方法の1種です。業務効率化や生産性向上を目的として、請負契約を選択する企業も数多く存在します。

 

しかし、外部依頼する方法は1つではないため、他の契約方法との違いに混乱している人も多いのではないでしょうか。

 

本記事では、契約方法をスッキリと理解するために、請負契約とその他の契約方法の違いについて解説しています。契約書に記載すべき項目についてもご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。


請負契約とは

請負契約は、依頼者と請負人が仕事の完成と報酬の支払いを約束する契約です。請負人は仕事を完成させる義務があり、依頼者には報酬を支払う義務があります。

 

請負人に義務違反があれば依頼者は報酬の支払い義務が免除され、依頼者に義務違反があれば請負人は成果物の引き渡しを拒否できます。

 

一般的には、建設工事やシステム開発を依頼する場合に利用される契約方法です。


請負契約とよく似た契約の種類

請負は法律に定められた契約です。民法632条には「請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる」と規定されています。

 

一方で、請負契約によく似た契約も存在します。「委任契約」と「準委任契約」です。各契約は混同して使用される傾向にありますが、実際にはそれぞれで異なる性質があります。以下で各契約の性質についてご紹介します。

委任契約

委任は民法643条にて「委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる」と規定されています。つまり、法律行為を依頼して相手が承諾する契約です。

 

請負との違いは、「法律行為」「承諾」があるといえます。請負では仕事の完成が義務でしたが、委任では法律行為があれば有効に成立するため、依頼された仕事を完成させる必要がありません。

 

また、原則として相手方が承諾すればよいので、報酬の支払いを約束する必要もありません。もちろん、委任契約の特約として報酬の支払いを約束することも可能です(民法648条)。

準委任契約

準委任契約は委任契約の内容とほとんど同じです。ただし、依頼する内容は法律行為以外の行為が対象となっています。

 

具体的な条文は民法656条です。「この節の規定は、法律行為でない事務の委託について準用する」と規定されています。

 

法律行為以外の行為とは、法律効果を発生させない行為です。情報の調査やアンケートの実施など、その行為単独では義務や権利が発生しない行為を指します。


請負契約書に記載すべき9つの項目

請負契約は、原則として口約束でも成立します。法律上でも書面作成の義務が規定されていないからです。しかし、現実的には書面で契約する方法がほとんどでしょう。トラブルとなった場合に、責任の所在が不明確となってしまうからです。

 

契約書があれば、責任の所在や範囲が明確となり、トラブルを早期解決できます。トラブルを回避するために、契約書には次の9つの項目を記載すると良いでしょう。

項目 内容
仕事の内容 完成させるべき仕事の内容や詳細について
報酬 報酬額や支払方法などに関する内容
納品方法 完成した成果物の引渡方法や引渡期日について
検収方法 成果物の確認方法やチェック項目について
契約不適合責任 仕事が完成していない、または希望する成果物とならなかった場合の取決め
権利 成果物の権利者や使用を許可する範囲などの取決め
再委託 請負人が再委託する場合の条件などについて
契約解除 契約を解除できる場合の条件や手続き方法など、解除に関する内容
秘密保持 個人情報や企業秘密など、情報管理に関する内容



まとめ

請負契約とは、仕事の完成を目的として報酬を支払う契約です。委任契約や準委任契約とは、仕事の完成義務や報酬の支払い義務がない点に違いがあります。一般的には、トラブル回避のために書面で契約する場合がほとんどです。契約書の作成時には9つの項目に注意して、責任の所在を明確にしておきましょう。


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