財務諸表とは?代表的な書類(財務三表)についても解説

2021年08月30日 / 最終更新日 : 2021年08月10日

企業会計に携わったことのある人であれば、誰もが知っている(と思われる)財務諸表。今回は、財務諸表についての基礎・基本を押さえ、実際によく使われる3つの代表的な書類(財務三表)についても解説していきます。

財務諸表とは

財務諸表とは、「企業の決算時の財政状態や、1年間の経営成績などをまとめた書類」のことを指します。決算書と言われることもあります。貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書など様々な書類によって構成され、これらを総合的に分析するのが「財務状況の評価」に繋がります。


財務諸表の目的

財務諸表の目的は、投資家や債権者、税務当局など、利害関係のある人に自社の財務状況を知らせることにあります。それだけでなく、経営者が自社の状況を客観的に把握するためにも用いられます。

財務三表

財務諸表の中で最もよく用いられる代表的な書類を「財務三表」と呼びます。財務三表は、次の3つの書類で構成されています。

  • 貸借対照表(B/S)
  • 損益計算書(P/L)
  • キャッシュフロー計算書(C/F)

それぞれ順番に見ていきましょう。

貸借対照表(B/S)

貸借対照表(B/S)は、決算日時点の企業の財政状態を示す書類です。英語では「Balance Sheet」とよばれ、日本でも「B/S」と呼ばれることが多いです。貸借対照表には、大きく分けて「資産、負債、純資産」の3区分があります。一般的に、資産や純資産の金額が大きく、負債の金額が小さい企業が、より安定的な企業とみなされます。

損益計算書(P/L)

損益計算書(P/L)は、一定の会計期間(通常は1年間)の企業の経営成績を示す書類です。英語では「Profit and Loss Statement」とよばれ、日本でも「P/L」と呼ばれることが多いです。大きく分けて「収益、費用」の2区分があります。営業活動によってもたらされた損益と、それ以外の損益は、損益計算書上で明確に区分されます。

キャッシュフロー計算書(C/F)

キャッシュフロー計算書(C/F)は、企業のお金の出入りとその活動区分を示す書類です。英語では「Cash Flow Statement」とよばれますが、日本ではあまり「C/F」と呼ばれることはないかもしれません。活動区分は、大きく分けて「営業活動、投資活動、財務活動」の3つがあります。「実際に動いたお金に着目をする」という点で、損益計算書(P/L)とは明確に異なります。


財務三表を使って確認できる指標

上記の財務三表がどんなものなのか概要を掴んだところで、実際に財務三表を使って出すことのできる指標を見ていきましょう。企業評価をする上で有用な指標なので、1つでも多く、覚えて使えるようになると良いと思います。

自己資本比率(貸借対照表)

自己資本比率は、資産に対する純資産の割合を指します。この割合が高ければ高いほど、資産に占める負債の割合が少ないことになりますので、財務体質としてはより健全だといえます。

計算式は、下記のとおりです。

 

自己資本比率(%)=純資産÷総資産×100

流動比率(貸借対照表)

流動比率は、直近の資金繰りの安全性を測るための指標です。流動負債(1年未満に返済しなければならない負債)に対して、流動資産(現金預金、またはすぐに換金できる資産)がどれくらいあるかを示します。この割合が100%を超えると、流動負債よりも流動資産の方が多いことを意味し、高ければ高いほど、資金繰りの安定性が高いことになります。

計算式は、下記のとおりです。

 

流動比率(%)=流動資産÷流動負債×100

原価率(損益計算書)

原価率は、売上高に対してどれくらいの原価がかかったのかを示す指標です。原価率が高ければ高いほど、売上総利益(粗利)は下がり、最終的な利益はものすごく小さくなるか、赤字になってしまいます。

計算式は、下記のとおりです。

 

原価率(%)=売上原価÷売上高×100

 

この他にも、財務三表を使って出すことの出来る指標が沢山あります。


まとめ

今回は、財務諸表とは何か、そしてそれを構成する書類のうち代表的な3つの書類である財務三表について解説してきました。財務諸表は、作ったり見たりするだけでなく、その中身について詳しく知れば知るほど、表記されている数字から見えてくることが沢山浮かび上がってきます。特に、財務三表を使って確認できる指標をうまく使うことにより、他企業との比較や自社の客観的な評価に使うことも出来るので、今回紹介した3つの指標は最低限覚えて、使ってみて下さい。

最後まで読んで頂きありがとうございました。
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