財務会計と管理会計の役割はどう違うのか?管理会計のメリットについて解説

2021年01月10日 / 最終更新日 : 2020年10月08日

財務会計と管理会計。どちらも会計であることに変わりありませんが、実際の役割にどのような違いがあるのでしょうか。
本記事では、財務会計と管理会計の役割の違いを解説し、任意とされている管理会計を導入するメリットについても解説していきます。


財務会計の役割

財務会計は、税務署に提出するような財務諸表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書等)などの決められたフォーマットに沿って計算される会計のことで、統一的な形式であることが最も大きな特徴となります。
そのため、他の会社と業績を比べたり、銀行が融資を検討するような時にも、財務会計をもとにした財務諸表が使用されるケースがほとんどです。

管理会計の役割

これに対し管理会計には、特に決められたフォーマットは存在せず、社内管理で取り入れられる会計となります。例えば、部門別の損益を算出したり、同じ科目でも使徒に応じて補助科目を用いて年度比較をしたりして経営判断をするような感じで使われます。

管理会計には、外部報告に関する有用性は全く存在しないため、財務会計の方式を理解していることが前提となりますが、管理会計を使用することで、社内のお金の流れや損益計算をよりわかりやすくすることが可能となります。

 


管理会計のメリット

財務会計と管理会計の違いについて理解したところで、財務会計とは別に管理会計を導入するメリットについて解説していきます。

①将来予測が立てやすい

財務会計とは異なり、管理会計には明確なルールやフォーマットは存在しません。これにより、社内のより細かいデータを、見やすい形で会計資料に反映することが可能となります。

経営陣の中には、会計専門でない人も多くいる場合がほとんどです。そういった中で、会社全体として正しい経営判断をするには、社内の経営状況を俯瞰することのできる、わかりやすい会計資料がとても有効です。

整理された管理会計が、会社をより良い方向へ導いてくれるかもしれません。

②複雑な原価計算の可視化ができる

管理会計がその本領を発揮する一場面に、「原価計算」があります。財務会計のフォーマットでは、製造原価について、表面上の数字しか載ることがありませんが、管理会計では、それをどれだけ細かく書いてもOKです。

つまり、会社の実態に即した部門ごとの実績を把握しやすい形の管理会計を作成すれば、コストカットができそうなところも見つけやすくなるでしょう。

③実態把握に即した会計資料作成が可能

例えば、営業部で、個人ごとの予実管理をしたいような場合を想定してみましょう。今まで売上成績だけで評価を決めていたようなところも、個人ごとの管理会計の導入により、利益ベースでは全く評価が異なる結果になった、というようなことも出てくるかもしれません。このように、額面上の金額や成績ではなく、業績の実態を把握する意味でも、管理会計は有用といえます。


まとめ

財務会計と管理会計の違いは理解して頂けましたでしょうか。財務会計だけ作成していれば、とりあえず企業として成立はしますが、より効率よく事業を進めていくには、管理会計の導入は欠かせません。

管理会計は、正しい経営判断に直結する重要な会計と言い換えることもできますので、まだ管理会計を導入していない、もしくは、既に導入している管理会計にわかりにくい点がある場合、管理会計について理解を深め、より有用な管理会計の導入を検討してみてください。
最後まで読んで頂きありがとうございました。



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